管理人の中村佳太です。
委員会等の議事録を情報公開請求し、届いた議事録を読んでいたところ、議員たちの数々の暴言が目に飛び込んできました。驚きや怒りで手が震えています。
そこで、議員たちが議会でどんな話をしているのかみなさんに知ってほしいと思い、(数々の問題発言の中から)とくに見過ごすことのできない問題発言をピックアップしてここに書き記します。(怒りのあまり文体が乱れると思いますがご容赦ください)
併せて議事録全文へのリンクも貼っておきます。議員たちはしばしば「発言の一部切り取りだ!」と批判しますので、ぜひ全文も読んでみてください。
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北村議長がフィリピンの識字率に言及「ほとんど言葉をしゃべれない」
まずは、令和5年9月19日(火)開催の「全員協議会」での北村吉史議員(議長)の発言です。
※全文はこちら
※誤字脱字は原文ママ。丸カッコは管理人による補足。太字下線は管理人による強調。
町長に僕ちょっとお尋ねしたいのは、どうして(友好都市に)このフィリピンを選ばれたか、これちょっと、全協(=全員協議会)やから皆さん認識しておいていただきたいんだけど、フィリピンのその識字率見たときに、いわゆる文盲率ですわ。 結構高いんですよ。特に女性。例えば成人女性の文盲率44.6%。半数近く。高齢女性の文盲率59.2%、60%これはタガログ語も含めてです。ほとんど言葉をしゃべれない。しゃべれるけども文字が書けない、文字が読めない、こういう状況ですね。若者女性の文盲率30.6%、3割強です。こういう状態で、ましてこれジェンダー平等の世の中でジェンダー平等になってない、そういう国みたいです、これ見てると。 というのは、若者の識字率の中とか、いろいろ出てくるんですけども、女性の識字率しか出てこない。チェックさせていただ。 そういう状況の国を、これは全体ですけど、そのファミー(市)というまちがどんな文盲率になってるか、識字率になってるか、こういうとこを全部チェックされてるんですか。<北村吉史議員(議長)>
話の文脈を補足すると、前川光町長が英語教育推進を主たる名目としてフィリピンのファミー市と友好都市の覚書を交わしました。このことについて一部の議員らは「事前に議会の了承を得なかった」として批判しており、この北村議長の発言はその流れで出たもので、ファミー市が友好都市として“ふさわしいか”を町長へ問うています。
そもそも文化交流や親善を目的とした都市間のパートナーシップが「友好都市」であり、(英語教育が目的のひとつとして挙げられているとはいえ)友好都市としての適格性に識字率を基準として持ち出すのはあまりに不適切かつ失礼でしょう。
それを前提とした上で、加えて問題なのは、この北村議長の発言には多くの事実誤認が含まれていることです。以下に解説します。
- フィリピンの識字率は高水準
外務省のウェブサイトによるとフィリピンの識字率は「96.3%(2019年国連教育科学文化機関)」とあり、世界でも高水準です。 - 若者の識字率は男女共ほぼ100%
ユニセフの「世界子供白書2023」(表11)によると、フィリピンの若者の男女別の識字率は「女性99% 男性98%」で共にほぼ100%です。「児童・生徒同士の交流により英語教育を推進する」と町長は主張していますが、少なくともその年代の識字率を問題視するのは完全に誤りです。また、このように男女別の識字率も調査されており、「女性の識字率しか出てこない」というのは北村議長の調査不足でしかありません。 - フィリピンは世界でもジェンダー平等な国
世界経済フォーラムが発表した「Global Gender Gap Report」(世界男女格差報告書)2023年版におけるジェンダー平等ランキングで、フェリピンは世界16位(146カ国中)、アジアの中では最もジェンダー平等な国です。125位の日本とは比べものになりません。北村議長の「ジェンダー平等になってない」というのは全く当てはまらず、むしろ日本が全く「ジェンダー平等になってない」ことを認識すべきです。
以上のように、北村議長の発言は、友好都市としての適格性に識字率を基準として持ち出すというあまりに不適切かつ失礼なものであると同時に、多くの事実誤認を含む問題発言です。議長としてはもちろん、議員としても不適格です。まずはこれらの発言の撤回を求めます。
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懇談会参加町民について議員らが「吊し上げだ」「罵倒だ」「わがままだ」
続いて、令和5年8月3日(木)開催の「全員協議会」での議員らの発言です。
※全文はこちら
※誤字脱字は原文ママ。丸カッコは管理人による補足。太字下線は管理人による強調。
何でそんなもん(=町民との懇談会)のこのこと出ていかなあかんねんと。 もちろん出席はそんなもん、ならば自由やしね、それやったら最初から紛らわしい表現で議会に(懇談会への)出席を求めてくるなと、そういうふうに思うんですよ。 <波多野庇砂議員>
何でそんな(夜の)7時から10時まで、人(議員)のそれこそ人権をどう考えてるのやろうと。そんなもん、ちゃんとそのメンバーがちゃんと議会委員会やってるのやから、(町民たちは)申し合わせに来いやと、来とらへんやんか。 <波多野庇砂議員>
名前が〇〇(懇談会を申請した住民団体名)か、名前の会員の人かどうかも分からん人がいっぱい来てはって、吊し上げのような格好で、議員が罵倒されてですよ、罵倒されましたよ、私、発言の途中に意見を遮られて。そんなこと議会ではあり得ないけども、 あの人たち(=参加町民)にとっては別に普通やと思ってはるんですね、吊し上げやと思うてはるから。<井上博明議員>
(町民たちは)自分たちの目標ありきだけのわがまま言うてきたんやろう、来てはるのや、早い話が。<波多野庇砂議員>
ひどい。。本当にひどい。。
よくも議員の立場にある人間が町民に対してこれだけ暴言を吐けたものです。
これらの発言が出たのは、令和5年6月に開催された「町民と議会との懇談会」を受けて、議員らがその感想?所感?を述べる場面です。
管理人もその懇談会に参加していましたが、町民側の参加者は議員に対して積極的に疑問を投げかけ質問をしていただけで、井上博明議員が言うような「吊し上げ」なんかしていませんし、ましてや「罵倒」など全くありませんでした。
また、懇談会は町民の要請を受けて議会が主催者となって開催されるものです。にもかかわらず波多野庇砂議員は、懇談会を「そんなもん」と呼び、「議員に出席を求めてくるな」などと発言しており、主催側の議員として極めて不適切です。しかも、そもそも波多野議員はその懇談会に出席すらしていなかったのです。
また、波多野議員は夜の開催について「議員の人権をどう考えてるのや」と発言していますが、(あとの場面で堀内古比呂議員が指摘しているように)昼間は家事や仕事などで忙しい町民が集まろうと思ったら夜の開催を希望することは当然のことです。それを「議員の人権を侵害している」などと考えるのは、町民の日々の暮らしを全く理解していないばかりか、町民に奉仕すべき立場の議員として不適切な発言です。
そして、こうした議員たちの認識の元、新聞等でも報道され今大きな問題となっている「懇談会適応内規」が作られることになります。
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以上、今回は力尽きたのでここまでとします。
議事録を読んでいると本当にたくさんの議員による暴言が書かれています。そして、これらの議事録は非公開となっており、今回情報公開請求をしてはじめてその内容が明らかになったものです。
議員たちは、議事録が公開されず、多くの場合で傍聴者ゼロの委員会の中で、町民が知らないと思って暴言を吐いているのだと思います。
私たち町民に出来ることは、傍聴に行ったり、(このサイトで公開している)非公開の議事録を読んだりして、「町民は議会を見ているぞ!」という姿勢を示し続けることだと思います。
もうすぐ2月21日から議会(定例回)が始まります(日程はこちら)。
※2月14日(水)にも閉会中の委員会があります。
管理人は出来る限り傍聴にいきます。ぜひみなさんもご一緒に。
管理人・中村佳太