管理人の中村佳太です。
2月13日,14日,15日の三日間、大山崎町のタウンミーティング(「前川光町長とふれあいミーティング」)が開催されました。管理人は最終日2月15日に参加してきたのでご報告します。
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定期的に開催されているタウンミーティングですが、管理人ははじめての参加でした。
住民の参加者は5名ほど。加えて町議が3名参加していました。
前の二日間は20名ほどの参加があったとのことなので、この日は極端に少なかったみたいです。理由は雨だったことに加え、会場の来づらさ、地区の関心の低さもあるかもしれません。
ここでは管理人が質問した2点を中心に報告します。
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ジェンダー平等政策について
管理人が高い関心と危機感を持っているのが、町のジェンダー平等政策です。
タウンミーティングの冒頭に3月議会に向けた令和6年度予算案の概要の説明があったのですが、その中にはジェンダー平等政策や男女共同参画に関する話は一切出てきませんでした。
そこで、管理人の方から町の策定した「第4次男女共同参画計画」の進捗および計画目標の達成に向けた取り組みについて質問しました。(ちなみに、この計画の策定時のパブコメに管理人は複数の意見を寄せており、その一部は計画に反映されていました。なので、パブコメ送るの大事です!)
特に計画の中で数値目標として示されている「役場の女性管理職率を令和10年度までに35%にする(令和4年度は20.7% )」を達成するために具体的に何をしているか?について質問しました。
担当部長の回答は回りくどく要領を得なかったのですが、簡単にまとめると次のような感じです。
・意識して女性を登用するよう努めている
・すでに活躍している女性はいる
・キャリアに関する女性向けの研修を実施している
正直に言って、話しぶりからこの問題に関する意識の低さが見て取れました。とても残念です。
でも、計画自体は細かく策定されており、職員の中には危機感を持っている方もいるのかなと期待しています。
管理人からは「計画に数値目標を掲げている以上、町にはそれを確実に達成する責任がある。目標達成には”意識して努める”だけでは無理なので、一年一年具体的な取り組みを着実に進めてほしい。そのための予算も投入してほしい」と伝えました。
ぜひよろしくお願いします。
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北村議長のフィリピン蔑視発言への対応
もうひとつ管理人からした質問・問題提起が、先日ブログに書いた北村吉史議長のフィリピン蔑視発言についてです。
大変な問題発言なので、あらためてここに載せておきます。
<令和5年9月19日(火)開催の「全員協議会」での北村吉史議員(議長)の発言>
町長に僕ちょっとお尋ねしたいのは、どうして(友好都市に)このフィリピンを選ばれたか、これちょっと、全協(=全員協議会)やから皆さん認識しておいていただきたいんだけど、フィリピンのその識字率見たときに、いわゆる文盲率ですわ。 結構高いんですよ。特に女性。例えば成人女性の文盲率44.6%。半数近く。高齢女性の文盲率59.2%、60%これはタガログ語も含めてです。ほとんど言葉をしゃべれない。しゃべれるけども文字が書けない、文字が読めない、こういう状況ですね。若者女性の文盲率30.6%、3割強です。こういう状態で、ましてこれジェンダー平等の世の中でジェンダー平等になってない、そういう国みたいです、これ見てると。 というのは、若者の識字率の中とか、いろいろ出てくるんですけども、女性の識字率しか出てこない。チェックさせていただ。 そういう状況の国を、これは全体ですけど、そのファミー(市)というまちがどんな文盲率になってるか、識字率になってるか、こういうとこを全部チェックされてるんですか。(中略)教育レベルも違うし。この識字率というのは、はっきり言って、ここに書いてあるんですよ。日常生活中の短い簡単な文を理解して読み書きをすることができるのが識字率。日常の簡単な文章を理解して読み書きをすることができる。重ねて言います。それが、できない人が非常に多いと思いというのがこの国のデータが出てるわけです。それを見たときに、ちょっとやっぱりどうかなという思いはあります。私はね。
※全文はこちら
※誤字脱字は原文ママ。丸カッコは管理人による補足。太字下線は管理人による強調。
2月12日のブログにも書いたように、この発言には多くの事実誤認が含まれています。具体的には「フィリピンの識字率は96.3%と世界的に見て高水準」で「若者の識字率は男女共ほぼ100%」であり、さらに「ジェンダー平等ランキングでフェリピンは世界16位(146カ国中)で、アジアの中で最もジェンダー平等な国(日本は125位)」です。
この発言自体は議会で行われたものであり、町長や行政に直接の責任があるわけではありません。ただ、今回タウンミーティングの場で管理人が問題視したのは、このような事実誤認(すなわちデマ)が町長や町幹部が出席する議会の席で(議長から)発せられたにも関わらず、その後この事実誤認に対する批判・修正・訂正が町として行われていないこと※1です。
この北村議長による発言は、フィリピンのファミー市と大山崎町との友好都市提携に関する議論の中でありました。こうした事実誤認発言が議会で行われ議事録に残っているにも関わらず、それを町側が問題視せずスルーし、何ら公式な見解を明らかにしないままファミー市と提携を結ぶことは許されないでしょう。この点について町長に対応を問いました。
前川光町長の回答は以下のようなものでした。
・「友好都市提携に関して識字率を問題視することは適切ではない」ということは他の日に議会で述べた
・議会での議員の発言について町長として意見を言うことは適切ではないと考える
・議員がさまざまな考え方を発言することは許されると考えている
・(管理人の)指摘については3月議会での本件の議論の中で言及する
重要なのは最後の「(管理人の)指摘については3月議会での本件の議論の中で言及する」でしょう。「議会に対して」というより「社会に対して」、北村議長の発言が誤りであることを町の見解としてはっきりと示すことが求められます。
管理人は、3月議会での町側の対応を注視すると同時に、北村吉史氏および議会に対しても対応を求めていきます。
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※1.一部訂正です。令和5年第3回定例会(第4日9月22日)の答弁において、前川光町長は以下のように発言していることを確認しました。
「識字率が低いから、フィリピンと友好都市は結んだら駄目だという意見を言われた。そんなことあり得ないのです。国際都市を目指すならば、識字率が低い、高い、関係なく、それが国際都市なんです。そうやるべき。もう一つは、フィリピンの識字率は95ですから、中国95で、ほかシンガポールはもっと低いのです。」(会議録より)
前川光町長はこの発言においてフィリピンの識字率については北村氏の事実誤認を指摘しており、「その後この事実誤認に対する批判・修正・訂正が町として行われていない」というのは一部誤りでした。謝罪いたします。
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その他のポイント
上記以外で、タウンミーティングの質疑のいくつかのポイントをまとめておきます。
①タウンミーティングをオンライン配信してはどうか?
<町の回答>オンライン配信を検討している。
②中央公民館の建替え(複合施設計画)について議会で予算が削除され計画がストップしていることなどについて知らない町民が多い。どういった広報をしていくか?大山崎町の公式LINEを活用してはどうか?
<町の回答>現状、各資料をホームページに公開している。複合施設の件に限らず、ホームページに掲載した情報を全て公式LINEでも知らせるよう対応を進める。
③中央公民館の建替え(複合施設計画)について町民は状況が分からず困惑している。説明会もワークショップ参加者限定で行われていて、その他の町民が説明を聞く機会がない。町長も担当者も議員も参加する全町民を対象にした説明会を開催するべきではないか?
<町の回答>スケジュール的に3月議会までの開催は難しいが、議会終了後、何らかの形での開催を検討する。
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以上です。他にも円明寺ヶ丘団地の老朽化や高齢化など、色々と話があったのですが、管理人が理解できていない部分もあるので、ここで詳細を書くことはしません。
はじめてタウンミーティングに参加して思ったのは、こうして直接町長や担当者に意見が言える場があることはとても重要で、良いことだなということです。
ぜひみなさんも参加してみることをオススメします。
管理人・中村佳太