こんにちは。管理人の中村佳太です。
先日の議会運営委員会の傍聴メモに引き続き、同じく12月22日に開催された12月議会本会議(最終日)についてのご報告です。
ここでは特に住民から提出されていた3件の陳情について書きたいと思います。
これらの陳情の行方に管理人は注目していました。
なお、そのうちの1件の討論の中で、島一嘉議員から大きな問題を含む発言があったので、後半に書いています。最後まで絶対読んでください。
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陳情は2件が不採択,1件が採択
結論から言うと、3件の陳情は[不採択2件,採択1件]となりました。
内容は以下の通りです。
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<中学校給食無償化に関する陳情書(1298筆の賛同署名と共に提出)>
[結果]
不採択
[内訳]
・賛成(4名):朝子直美、堀内古比呂、辻真理子、井上治夫
・反対(7名):小畑孝信、徳本修司、西田光宏、島一嘉、山中一成、波多野庇砂、井上博明
<公民館再整備計画の早期再開に関する陳情書(1298筆の賛同署名と共に提出)>
[結果]
不採択
[内訳]
・賛成(5名):朝子直美、堀内古比呂、辻真理子、井上治夫、井上博明
・反対(6名):小畑孝信、徳本修司、西田光宏、島一嘉、山中一成、波多野庇砂
<国に選択的夫婦別姓制度の審議を求める意見書を提出することに関する陳情書>
[結果]
採択
[内訳]
・賛成(6名):朝子直美、堀内古比呂、辻真理子、徳本修司、井上治夫、井上博明
・反対(5名):小畑孝信、西田光宏、島一嘉、山中一成、波多野庇砂
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人口およそ1万6千人の大山崎町において、多くの賛同署名(1298筆)を集めて提出された2件の陳情が不採択となったことは、議会の住民軽視が如実に表れた結果であり、大変残念です。
そもそもこの日の審議の中で一度も署名について触れられなかった/触れる議員がいなかったことも残念でした。
議会は「署名活動なんかしても意味ないですよ。無視するんで」と言っているのでしょう。大山崎町民はこのことをしっかりと受け止めて、次の選挙に臨む必要があると、私は思います。
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委員会で留保→本会議で反対
ここで指摘しておきたいことがあります。
今回の陳情に関して、以前書いた傍聴メモの中で私は次のように予想していました。
委員会では留保した議員たちが最終日(12/22)の本会議では「反対」票を投じる
この予想が(残念なことに)見事的中してしまいました。
詳細はこちらの傍聴メモを読んでいただきたいのですが、委員会であきらかに「反対」の発言をしておきながら、採択の時間になったら「留保」するというおかしな対応が見られ、これは戦略だろうと指摘していました。
おそらくこれは、町民から出された陳情に反対して町民から反発を受けるのを避けるため、委員会の段階では(本当は「反対」なのに)「留保」したものと思われます。そして、本会議という最終的な判断の場で、はじめて反対票を投じたのです。
※そう考える理由も傍聴メモに書いていますので、ぜひ読んでください。
これは町民の真摯な陳情を踏みにじる行為です。
今後陳情を出された方は、議員が「委員会で留保→本会議で反対」という流れを利用して町民の反発を避けていないか、ぜひ注目してみてください。
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島一嘉議員の差別発言
この日の本会議の中で、私が特にみなさんに伝えなければならないと思ったのは、島一嘉議員の発言です。
島議員は選択的夫婦別姓制度に関する陳情の審議の中で、反対の立場で次のように発言しました。
私は家族が同じ苗字であることが素晴らしいと思っています。
日本人として日本古来の「家」という考え方や民族・伝統・習慣を守っていきたいので反対します。
あまりにも人権感覚の無い差別的な発言に耳を疑いました。
(あらためてこうして文字にするだけで、私は気分が悪くなりました)
家制度は女性差別の制度
かつて日本に存在した家(イエ)制度は、男性を家長とする女性差別的な制度であり、戦後、憲法が定める平等の精神に反するなどとして廃止されています。
家族法学者の二宮周平氏によると、家制度の特徴には以下のようなものがあります。
・家族は戸主の命令・監督に服従する
・家の財産と戸主の地位は、原則として戸主の長男が継ぐ
・家族は戸主の同意がなければ結婚できない
このような制度を肯定する島議員の発言は、かつての(そして今でも慣習として残る)家父長的な考えや女性差別を肯定するものです。
民族差別
また、「民族を守る」という発言も現代の政治家として常軌を逸しています。
「民族」の定義は難しいですが、そもそも日本列島には古くから複数の民族が暮らしています。
さらに、現代では様々な国や人種,民族などをルーツに持つ人々がすでにたくさん暮らしており、当然ながら一部の人は「日本人として」生きてもいるのです。
「日本の民族を守る(ためにルールを変えない)」という考えは、つまり、多様な背景、多様な考え方や文化を持つそうした人々を認めないということであり、排除の思想です。これは民族差別であり、決して許されません。
島議員がすべきこと
「私は家族が同じ苗字であることが素晴らしいと思っています。日本人として日本古来の「家」という考え方や民族・伝統・習慣を守っていきたいので反対します」
この発言は、(一般市民の発言であっても問題ですが)政治家が発した場合「女性や民族的マイノリティを排除する」と権力者が宣言したことになり、極めて危険です。
私は個人的に、会派「大山崎クラブ」を11月に離脱して以降、島議員の議会での熱心な質問や発言、ホームページをあらたに作成して町民に伝えようとする姿勢などにとても期待していました。
だからこそ、今回の差別的発言は本当にショックで、この日は島議員と挨拶することもできませんでした(普段は普通に挨拶やおしゃべりをします)。
裏切られた気持ちで、本当に残念でなりません。
でも、まだあきらめきれずにいます。
島議員に私からお願いがあります。
まず、上記の発言を撤回してください。
その上で、「選択的夫婦別姓に賛成」と宣言してください。
発言の撤回や宣言は、ホームページに公表したり、配布チラシに掲載したりなど、方法はいくらでもあります。もしこうした対応をしなければ、私は島議員は女性やマイノリティを排除する議員と見なすしかなくなります。
また、幸いなことに、今回の陳情は賛成多数で採択されています。今後議会で国に提出する意見書を取りまとめることになります。その取りまとめの議論の中でも、島議員が賛成の姿勢で参画してくださることを心から期待しています。
この声が届くよう願っています。
そして住民のみなさん、意見書の内容がどういったものになるか注目していきましょう。
そのためにはやはり議会に傍聴に行くことが大切だと思います。
管理人・中村佳太