こんにちは。管理人の中村佳太です。
12月14日午後に開催された大山崎町議会・総務産業常任委員会を傍聴してきました。
この委員会に注目し傍聴した理由は、選択的夫婦別姓に関する陳情についての審議が行われると聞いていたからです。
以下、管理人による傍聴メモです。
※あくまで管理人が傍聴して気になったポイントをまとめたメモです。網羅性はありませんし、正確性も担保しません。
陳情書
提出された陳情は、「国に選択的夫婦別姓制度の審議を求める意見書を提出することに関する陳情書」。
以下がその陳情書です。
[画像:陳情提出者提供]
素晴らしい陳情書です。
前提として、管理人は選択的夫婦別姓制度の導入に強く賛成しています。
この件については以前考えを文章にしていますのでぜひ読んでみてください(これまで私の書いた文章の中でも特に反響の大きかった(バズった)文章のひとつです)。
→「選択的夫婦別姓に反対する人と対話するために」(ナカムラケイタのエッセイ配信)
陳情は採択。しかし問題が...
結論からいうと、この陳情は”全員賛成により採択”となりました。ただし、実は大きな問題があります。
どういうことか説明します。
今回の採択の内訳は以下の通りでした。
賛成(2名):徳本、堀内
留保(3名):北村、西田、波多野
※敬称略
5名中3名が留保し、票を入れた2名が共に賛成した結果、“全員賛成により採択”となっています。
今後の流れとしては、12月議会最終日(12/22)の本会議において全議員参加の採択が行われ、そこで最終的な採択/不採択が決まります。
つまり、今回留保した3議員+他の6議員の票によってはこの陳情が不採択となる可能性がまだ十分にあります。(※なお、本会議でも留保することは可能ですが、その場合、本会議場を一度退場する必要があり、委員会での留保と違ってかなりハードルが高いです)
そして、その不安を増幅させるのが、留保した議員の発言内容です。
留保したひとり、西田光宏議員は討議の中で次のように発言していました。
「悩んでいる。陳情書の中にもあるような"家族が同じ姓である一体感"との価値観は私の中にある」
この発言からは、最終的に「反対」票を投じる可能性が高いように感じられます。
ちなみに、陳情書を読めば分かる通り、選択的夫婦別姓は「家族が同じ姓であることを大切にしたい人は夫婦同姓を選択できる制度」であり、西田議員の価値観を否定するものではなく、留保や反対の理由にはなりません。西田議員の発言は、陳情書をちゃんと読んでいないか、読んでも理解できていないか、理解したうえであえてズレた議論をしているかのいずれかです。
反発をさけるための戦略としての「留保」の疑い
さらに私が不安を感じるのは、私の見立てでは今回留保した議員たちは最終的に「反対」する前提で、委員会ではあえて「留保」したのではないかと思わせる今回の流れです。
どういうことかというと、今年の3月議会、同じ総務産業常任委員会で私の提出した「パートナーシップ制度の導入を求める陳情」を審議した際、会派「大山崎クラブ」の西田議員と北村議員は反対票を投じました。
そのことについて町民らから(主に私から)強い反発を受けた結果、方針の転換を迫られ、最終的に本会議で賛成に回った経緯があります。
※このときのいきさつについてはこちらに詳しくまとめています。
→「パートナーシップ制度の導入を求める陳情が逆転採択されるまでの経緯。とそこで気づいた問題点。」(ナカムラケイタのエッセイ配信)
なので、今回の陳情に関しては委員会の段階で反発を受けることを避けるために、本当は「反対」なのに戦略的に「留保」をしたのではないかと思うのです。
もちろんこれはあくまで私の推察に過ぎません。
でも、結構自信はあります。
なぜ自信があるかというと、同じ日の午前中に「複合施設特別委員会」が開催されていたのですが(私は傍聴できませんでした)、傍聴した人に聞いたところ、ここでもほぼ同じ状態だったというのです。
詳細は省きますが、複合施設建設の早期再開を求める陳情に対し、自民党系など多くの議員は留保したそうです。そして、留保した議員が討議の中では「賛成できない」「陳情は受けられない」(波多野議員)と言っていたり、明らかに「反対」の立場を取りながら採択のときには「留保」するという、選択的夫婦別姓制度に関する陳情への対応と同様のおかしな対応を取っていたようです。
このことから、今回の議会全体を通して、一部の議員達は(全員ではないにしろ)、陳情について委員会の段階では反発を避けるために本当は「反対」なのに「留保」するという戦略が取られているのではないかと推察できます。
なので私は、本議会に提出されている複数の陳情に関して、委員会では留保した議員たちが最終日(12/22)の本会議では「反対」票を投じる可能性はかなり高いと考えています。
この推察が当たっているかは分かりませんが、もし私の推察通りであるなら、それは町民の真摯な陳情を踏みにじる行為であり、こんなことが許されてはいけないです。
とにかく、町民の監視の目を議会に届けるため、なるべく多くの人が傍聴に行くことが大切だと思います。
そもそも政治家をやる資格はない
最後に、選択的夫婦別姓に関してですが、この議題はメディアでも注目され、長年ずっと議論が行われてきているものです。
一般市民ならともかく、議員(政治家)が今このタイミングでこのテーマについて賛成か反対かを明言できないというのはそもそもおかしな話です。
もし戦略的に留保したわけではなく、本当に自身の考えが無いということなら、そもそも政治家をやる資格はないと私は思います。
議員のみなさんには、ぜひ社会課題について勉強し、(党の方針ではなく)自分の考えを持ち、賛成か反対かを述べてほしいです。留保ではなく。
管理人・中村佳太