◆傍聴メモ‗3月議会最終日(2024年3月18日)◆

管理人の中村佳太です。

本日3月18日に開催された大山崎町議会の3月議会(令和6年第1回定例会)最終日を傍聴してきたので、ご報告します。

報告するのは管理人が注目したポイントについてなので、網羅性はありません。その点ご留意ください。
※文中の議員の並びは順不同です

傍聴席がほぼ満席!

まずとても大切なことから。

傍聴者がたくさん来ていました!

おそらく30名近くの方が傍聴に来ていて、傍聴席はほぼ満席の状態でした。

傍聴者が多いことで議会には緊張感が生まれます。これは僕自身が傍聴していて感じることでもありますし、議会関係者からも同様の感想を聞きます。

これからも住民による議会の監視を続けていきましょう!

令和6年度一般会計予算は修正案が可決

3月議会は次年度の町の予算を決める議会なので、その点においては特に重要な議会と言えます。

その予算についてです。3月12日の予算決算常任委員会において、一般会計予算が賛成少数により否決されており、本日の本会議での討論・採決が注目されていました。

結論としては、委員会で否決された原案に対しての修正案が3名の議員(井上博明・小畑孝信・徳本修司)から提出され、その修正案が賛成多数により可決されました。

内訳は以下の通りです。

  • 修正案に賛成(6名):井上博明、小畑孝信、徳本修司、島一嘉、西田光宏、山中一成
  • 原案に賛成(4名):朝子直美、堀内古比呂、辻真理子、井上治夫
  • 留保(議場を退出)(1名):波多野庇砂

 

なお、修正案の内容ですが、超ざっくり言えば「複合施設計画(中央公民館の建替え計画)のみ残し、争点となっているその他の多くの新規事業は削除した予算」です。

原案から削除されたのは、例えば以下のような予算です。

  • 中学校給食無償化のための予算
  • フィリピンのファミー市との友好都市提携に関する予算
  • 天王山にバイオトイレを設置することに関する予算
  • 新規通学路整備に関する予算


1300筆近い署名が提出された中学校給食無償化など、多くの住民が希望している事業が削除されたことは大変に残念です。

とはいえ、本会議で一般会計予算が否決された場合、暫定予算により通常業務は続くもののその他の予算が無い状態になり、町の住民や事業者にも大きな影響が出ます。そのことを考えると、計画の推進が喫緊の課題となっている複合施設計画(中央公民館の建替え計画)の予算は入れた修正案の可決という、ある種の妥協案が通ったことはある程度評価すべきことだと管理人は考えています。

削除された事業について今後どのように議論が進んでいくのか、注視していきたいと思います。

3件の陳情はすべて不採択に

今回の議会に提出されていた3件の陳情はすべて不採択となりました。
内容は以下の通りです。

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<環境保護に関する陳情書>
[結果]不採択
[内訳]
・賛成(5名):朝子直美、堀内古比呂、辻真理子、井上治夫、島一嘉
・反対(6名):小畑孝信、徳本修司、西田光宏、山中一成、波多野庇砂、井上博明

<住民に開かれた議会を求める陳情書>
[結果]不採択
[内訳]
・賛成(5名):朝子直美、堀内古比呂、辻真理子、井上治夫 、島一嘉
・反対(6名):小畑孝信、徳本修司、西田光宏、山中一成、波多野庇砂、井上博明

<現行の健康保険証を残すことを求める陳情書>
[結果]不採択
[内訳]
・賛成(4名):朝子直美、堀内古比呂、辻真理子、井上治夫
・反対(7名):小畑孝信、徳本修司、西田光宏、山中一成、島一嘉、波多野庇砂、井上博明

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どの陳情も賛否が分かれる結果となりましたが、結果的にはすべて不採択でした。

管理人は、住民からの陳情を議会が不採択とする割合が多いことを懸念しています(前回の12月議会では3件の陳情に対し2件が不採択でした)。

もちろん住民からの要望をすべて聞き入れることが良いことだとは思いません。

ただ、陳情に対する議論を傍聴していても、陳情者の考えや想いをくみ取る努力が議員たちに足りていないように感じるのです。

例えば、今回のある陳情に対し委員会の中で議員から「陳情者は勘違いしてるんじゃないか」とか「陳情者は議会側の考えを理解できていないのではないか」と言った発言があったのですが、そう思うのであれば事前に陳情者に連絡を取って陳情者の認識や考えを確認すべきであったろうと思います(これは議員に認められた行為です)。もしくは委員会に陳情者を呼んで意見を聞くこともできるそうなので、そういった方法も取れたはずです。

そうした努力もせずに住民からの陳情の多くを議会が不採択とすることは、住民の地方政治への参加意識を削ぎ、民主主義の停滞を招くことにもつながりかねません。

議員たちはしばしば「住民の声を聞くことが大事だ」と言います。

そうであるならば、住民からの声そのものである「陳情」に対しもっと真摯に向き合う必要があります。そのために「不採択とする前に陳情者から意見を聞く」というのは最低限必要なことです

3件の意見書は2件が採択、1件が不採択

今回の3月議会には、大山崎町議会から国や国会に提出する3つの意見書案が議員から提出されていました。

審議の結果、3件の意見書のうち2件が採択、1件が不採択となりました。

内容は以下の通りです。
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<選択的夫婦別姓制度に関する審議を求める意見書>
[結果]採択
[内訳]全員賛成


<学校給食の無償化を国に求める意見書>
[結果]採択
[内訳]全員賛成


<政治資金規正法にかかる疑惑の徹底解明および法改正も含めた再発防止を求める意見書>
[結果]不採択
[内訳]
・賛成(5名):朝子直美、堀内古比呂、辻真理子、井上治夫、徳本修司
・反対(6名):小畑孝信、西田光宏、山中一成、島一嘉、波多野庇砂、井上博明
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「選択的夫婦別姓制度に関する審議を求める意見書」は12月議会へ提出された陳情の採択を受け、今回提出されたものです。12月議会のときには陳情に反対した議員も今回は賛成へ回り、全員賛成により意見書が採択されたことはとても良かったと思います。国会には一日も早く、選択的夫婦別姓制度を実現させてほしいです。

「政治資金規正法にかかる疑惑の徹底解明および法改正も含めた再発防止を求める意見書」は自民党の政治資金パーティーをめぐる一連の裏金事件に関する意見書ですが、自民党系の3議員(西田光宏、山中一成、島一嘉)は全員反対しました。

理由は「現在自民党内で改革に向けて取り組んでいる最中なので、大山崎町議会としてこの意見書を提出することはふさわしくない」などでしたが、「改革に向けて取り組んでいる最中」だからこそ、それをさらに進めてもらうためにこの意見書は必要だろうと思います。

むしろ自民党系の議員たちにこそこの意見書に賛成してほしかったので、大変残念です。

以上です。

ご質問などがあればお気軽に。出来る限りお答えします。

管理人・中村佳太